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厚労省/乳及び乳製品の食品中の放射性物質に係る基準値の設定について パブコメ書いてみた

パブコメを厚労省に出したので、共有。2012/02/04 15:33

パブリックコメントってなあに】

パブリックコメント、通称パブコメとは、電子政府e-Govによれば「国の行政機関は、政策を実施していく上で、さまざまな政令や省令等を定めます。これら政令や省令等を決めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民の皆様から意見、情報を募集する手続が、パブリックコメント制度(Public Comment,意見公募手続)です。」とある。

http://www.e-gov.go.jp/help/about_pb.html

平たく言うと、「政令・省令を変えるんだけれども、勝手に変えたと言われたらアレなんで、国民のみなさんに意見を求めまーす」ということ。

重要な政策や法令は、ほとんどすべてパブリックコメントが行われて、一応は民意に一度はかけられている。だけど、こんなに大切なことなのに、ほとんど広報はされていない。

それはなぜかというと、パブコメで国民に言われる内容には回答義務があり、あんまりにもパブコメが集まっちゃうとめんどくさいから。なので、大体は身内や、その件に関連する業者から、政策についてのアグリーメントを送らせて、「ほらね、民意はYESでしょ?」ということで政策を通しちゃう。

しかし、某原子力保安院の職員は、かつて俺に言った。「署名なんかは、実はあんまりクリティカルじゃない。正直、受け取ったら上司の机に置かれて終わり。でも、パブコメは違う。回答しなきゃならない。民意を示したいなら、選挙の次に効果があるのがパブコメ

そんなわけで、政府や省庁が勝手に何かしないように釘を刺すならば、署名やデモもいいけれど、パブリックコメントが実は一番直接行動に近い。すごく重要。

 

【今回出したパブコメの内容】

パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(食品中の放射性物質に係る基準値の設定)(案)等に関する御意見の募集について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110333&Mode=0

いまは500ベクレルという気の遠くなりそうな基準値なんだけども、これを10~100ベクレルにしようとしている。それ自体は実は良くって、基準値を下げることには大賛成。

でも、ディテールというか、細かい部分で俺にとっては不具合がある。

ところがそのディテールが、実はキモのところであって、本当に通したいんだけど国民には不都合っぽいなという項目については、パブリックコメント上ではディテールに見せかけて誤魔化しちゃう。

したがって、「いやいや、気づいてますよ」ということをきちんと伝えて、釘を刺すのが今回の目的。

 

【出した文章】

1.乳児用食品についてはもっと基準値を下げるべき

 小児への放射線の影響については、本パブリックコメントの関連資料にもなる平成23年12月22日「食品中の放射性物質に係る規格基準の設定について」(以下、本資料を「資料1」と呼ぶ)の2P(ページ)5~10L(行目)にもあるように、感受性が成人より高い可能性(甲状腺がんや白血病)があると考えられる。

 このことは、放射線の特徴である「DNAを傷つける」という特徴から鑑みるに、細胞分裂が成人よりも活発である小児にとっては、同じ放射線量でも大きな差があらわれることは自明であり、またチェルノブイリ事故においても子どもの健康被害が顕著に表れたことから、おおよそ疑う余地のないことである。

 このことから、臨床上のデータがないとして、さらに食事量に差があるとしても、食品基準において大人が100Bqで乳児が50Bqという基準では、あまりに差が少ないのではと考える。

 また、乳児は離乳食として乳児用食品だけを食べるわけではなく、大人が食べるものを口にする機会も多々ある。そうしたなかで、やむをえず高い基準値のものを食べて被曝する量を考えると、乳児用食品については更に極めて安全な基準を適用しなければ、想定の被曝量内に収めることができない可能性が高い。

 そこで、具体的には、乳児用食品においても、水と同じ基準である10Bq以下にすべきだと考える。また、給食などで摂取する可能性も考えて、乳/乳製品も10Bq以下にすべきである。

 

2.放射性セシウム以外の放射性物質も含めた基準値にすべき

 資料1の2P6~8Lには「影響が見いだされているのは(略)生涯における累積の実効線量として(略)100mSv以上」と記載されている。

 一方、本改正案においては別添資料のパラグラフ1・8Lにおいて「食品中に許容することのできる放射性セシウム(以下、「Cs」)の線量を、現在の年間5ミリシーベルトから年間1ミリシーベルトに引き下げる」との記載がある。

 このとき、日本の男性の平均寿命が79.64年(厚生労働省:平成22年簡易生命表)であることを参考に、仮に80年間Csを1mSv分取り入れたとすれば、生涯で80mSv累積することとなる。(ここでは敢えてわかりやすくするための例として話を単純化しており、体内での半減期等は考慮していない)

 しかし前述のとおり、これはCsのみで80mSvということであり、①事故後から経過措置が終了するまでの基準値が高く、1mSv以上被曝している可能性が高いこと②事故がまだ収束していないこと③Cs以外にもストロンチウムトリチウムなど別の放射性物質もリスクになること、以上3点を考慮すると、生涯で受ける放射線量は影響が出るとされる100mSvをゆうに超えることが予想される。

 また、前項1の通り、小児への影響はいまだ予想できず、100mSvを待たずして健康被害の事例が増える可能性も十分ある。

 ゆえに、Cs以外の物質についても基準をもうけ、また、測定の対象とすべきであると考える。

 

3.経過措置を設けない、もしくは基準値を下げるべき

 別添にある大豆・肉・米に関する経過措置の基準値である500Bqは、他の新基準である10~100Bqと比べても極めて高すぎる数値で、日常的に摂取することで短期的ではあるが大量に内部被曝する可能性があると考える。

 具体的には、大豆についてはそのまま食べるよりも味噌や醤油、豆腐、納豆など日常的には加工食品として食べることが多いが、それぞれ毎日食べない日はないのが現状。また、米は日本人の主食でもあり、他の食品にくらべて摂取量も多い。

 そういった、摂取量が多い食品に限って基準値が高いと、大量被曝の可能性が出てくるのではないかと考える。よって、経過措置をもうけずにすぐ新基準を適用するか、もしくは経過措置における非常に高い基準値を下げるべきである。

 もちろん、その結果として、収穫したものの出荷できない米や大豆が大量に出る可能性はあるが、生産者への保障は政府および東京電力が適切に実行すればよい。そして、なにより国民の健康を守ることが第一であり、また、こうした基準を厳格に行うことが、日本農業の信頼回復への近道であると考える。

 

【みんなも書こう、パブリックコメント

今回のコレ↑は2012/02/04いっぱい受け付けしている。なので、ぜひ送ってほしい。

https://www-secure.mhlw.go.jp/cgi-bin/getmail/publiccomment_input.cgi?mailto=ra-foodstuff@mhlw.go.jp

あと、他にも現在募集中のパブリックコメントには、重要なものがたくさんある。

ぜひ、国民はバカじゃないぞというところを、直接行動として見せていきたい。